日本のたばこ政策は世界でも最低レベルといわれ、2020年のオリンピック開催に向け、受動喫煙防止対策として飲食店の全面禁煙化で話題になっています。
そんな中、従来ののたばこより臭いが少なく、副流煙もなく、健康にも良いとされ、注目が続いているのが電子たばこです。テレビ番組などで特集され、頻繁に見聞きするようになったiQOS(アイコス)が有名ですが、宮城県仙台市限定発売という状況にも拘わらず人気を博し、2017年7月に満を持して大阪と東京に販売エリアを拡大するglo(グロー)などもあります。
電子たばことは
電子たばこは別名「加熱式たばこ」「Vape(べイプ)」と呼ばれ、乾燥葉や液体を加熱し、蒸気にして吸入し楽しむ嗜好品です。
特に人気の電子たばこは「加熱式たばこ」で、紙巻たばこと同じくタバコの葉を使用していますが、従来の紙巻たばこのように火を使って葉を燃やすのではなく、その名の通り電力を使いコイルを通して葉を加熱してニコチンを発生させます。加熱することで、燃焼させる方法と比べ、タールなどの有害物質を9割ほど軽減でき、健康面でも注目を浴びています。もちろん、未成年は吸うことはできません。
もう一つの電子たばこ「Vape(べイプ)」はアトマイザーとバッテリーから構成され、前もって充電したバッテリーから、蒸気の元になる液体(リキッド)を補填したアトマイザーに通電させ、リキッドを霧状にして吸入します。海外ではニコチンを含むVape(べイプ)も存在しますが、日本では販売できないため、年齢規制はなく、未成年の購入・使用が可能です。電子たばことはいえ、喫煙することには変わりないので、まだまだ認知度の低いVape(べイプ)の未成年への販売を控えているお店が多いようです。
成分
加熱式たばこで使用されるタバコの葉は、各メーカーで粉末にしてカプセルに閉じ込めたり、ヒートスティックという名称で紙巻たばこの半分ぐらいの短さにしたものなど、形状は異なりますが、成分は紙巻たばこと同じくニコチンやタールを含んでいます。
Vape(べイプ)の主成分となるリキッドは、PGとVGという少量なら体内に摂取しても生物への害がないといわれている原料で形成されます。食品や化粧品にも使用されている原料で、紙巻たばこに含まれるニコチンやタールなどの有毒成分とは大きく異なっています。
また、リキッドには多くの種類があり、紙巻たばこでも主流な「メンソール系リキッド」や、ストロベリーやオレンジの香りや酸味が楽しめる「フルーツ系リキッド」や、チョコレートやバニラの甘味が楽しめる「スイーツ系リキッド」など女性が楽しめる種類や、ウーロン茶や肉野菜炒めのフレーバーが楽しめる変わり種まで、多岐に渡ります。
市場
2003年に中国で実用化され、2014年に世界の市場規模は約70億ドル(約7700億円)で、2030年には510億ドル(約5兆6600億円)に拡大する見通しです。
金額
安価なもので1セット1000円以下で購入可能。iQOS(アイコス)は10000円程度で、glo(グロー)は4000円です。
メーカーによって違う加熱式のスティックやカプセルは一箱500円弱です。吸う頻度にもよりますが、ひと月一個程度使用するリキッドは1000円~4000円で購入できます。
たばこ税
現在議論されていますが、ニコチンを含まないリキッド型のタイプはタバコ税がかかっていません。しかし、タバコ葉加熱型のiQOS(アイコス)やglo(グロー)はたばこ税の対象となっています。
健康被害
加熱式たばこは、前述の通り、紙巻たばこと同じ原料のたばこの葉を使用していますが、燃焼させず加熱しているため、従来の紙巻たばこの有害成分を平均で約9割削減しています。しかし、成分は紙巻たばことほぼ同じなので、吸いすぎは禁物です。
Vape(べイプ)は前述の通り、ニコチンやタールを含まず未成年も購入可能なため、健康被害の報告はほぼないようです。しかし、未成年や妊娠されている方の使用は避けるなど、あくまで嗜好品として本人の判断で過剰な摂取は控える事を勧めています。
主な電子たばこと購入方法
iQOS(アイコス)
【会社】
フィリップ・モリス・インターナショナル社
【公式ホームページ】
【購入方法】
全国に8箇所あるアイコスストア
人気施設の予約・順番受付サイト
コンビニエンスストア
※ただし、東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県、宮城県、大阪府、兵庫、京都府のみ
参考サイト
アイコス取り扱い店
スーパーや街のタバコ屋さんなど
Ploom TECH(プルームテック)
【会社】
JT(日本たばこ産業株式会社)
【公式ホームページ】
【購入方法】
オンラインショップ
東京に2店舗あるPloomショップ
2017年7月から随時取り扱い店(Ploomステーション)拡大
glo(グロー)
【会社】
ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)
【公式ホームページ】
【購入方法】
全国に3店舗あるgloストア
オンラインストア
https://onlinestore.discoverglo.com/
楽天市場
コンビニエンスストア
※取り扱いのある店舗は明確に公表していないようです。
Vape(べイプ)
【購入方法】
オンラインショップ
JPvapor
Frienbr SHOP
eTabaco
スポーツと電子たばこ
真偽が明確でないプロアスリートや有名人の喫煙画像が出回っていますが、紙巻きたばこでも電子たばこでも、たばこを吸っている姿を見るとなぜか良い気がしません。
それは、たばこが有害でスポーツ人生において必要がないものだと世間で認知されてしまっていたり、たばこを吸っている女性が比較的少なく、臭いや肌荒れにつながるのではと心配になってしまう側面もあると思います。たばこが、がんの発症と深い関係があったり、ニコチンの依存性の強さは周知の事実ですが、喫煙者はそれなりのメリットもあるようです。
・脳が覚醒し、気分が高揚する
・ストレス解消になる
・満腹中枢を刺激する
・人間関係のコミュニケーションツールになる
参考サイト
スポーツ選手や有名人は一般的な人と比べ、想像ができないほどのプレッシャーやストレスと戦っているのも事実です。正社員にもかかわらず、まるでフリーターのような不安定な立場で仕事をして、いつ業界から干されるかわからない感覚だと聞きます。
喫煙を勧めるつもりはありませんが、扱い方次第ではストレスの解消になったり、減量につながったり、思わぬ人とつながったり、結果的にメリットがあるかもしれません。
ただし、有害成分の多い紙巻きタバコは、高いリスクを承知の上で扱わなければいけません。せめて加熱式たばこにして有害成分の摂取を減少させたり、Vape(べイプ)のようなリキッド型を使用し、有害成分の摂取をさけることを強くお勧めします。